消化器内視鏡技師

消化器内視鏡技師とは、日本消化器内視鏡学会によって認定された資格であり、医師の監視指導のもとで消化器内視鏡業務に従事できる資格をいいます。当センターでは内視鏡に関わるサポートを消化器内視鏡技師が担っています。認定資格を取得後も最新の知識や質の高い技術を患者さまに提供できるよう積極的な学会・研究会の参加を心がけております。

内視鏡センターは検査室５室、透視室１室の計6室を兼ね備えており消化器疾患に対するあらゆる内視鏡検査及び治療が可能です。年間の内視鏡総件数は8,200件を超えます。患者様の安全面に関しては、鎮静剤を使用した患者様がゆったりと休めるようにリカバリー室はストレッチャー9台とリクライニングチェア 4台を有しております。急な状態変化にも対応できるようパルスオキシメーターなどを利用し中央モニタリングを専属の看護師が従事しております。

主な仕事内容

仕事内容

・医師が内視鏡による検査や治療を行う際の準備や補助、患者の介助
・摘出検体の処理
・患者さんや家族への検査や治療に関する説明、支援
・内視鏡検査や治療に関わる事務業務や検査予約、オリエンテーション、資料の管理
・内視鏡の洗浄や消毒、メンテナンス
・患者さんや御家族に検査の説明など
消化器内視鏡技師業務指針に則った業務

内視鏡技師の業務は内視鏡機器の洗浄・消毒・滅菌、内視鏡機器の保守・管理にとどまらず、内視鏡検査や治療の介助など多岐にわたる。内視鏡検査・治療を行う上で、使用する機器や処置具の準備や診療補助的な要素が多くあり、内視鏡診療を安全で効率的に実施するために、内視鏡技師が担う役割も多くなってきている。チームの一角を担うメディカルスタッフも基礎的医学・医の倫理をはじめとして、内視鏡テクノロジーを学んだ専門職として内視鏡に従事することが、患者に対して最も安心できる医療の提供に直結する。
診療補助業務

(1) 検査・治療の準備
内視鏡検査・治療にかかわる医療機器、処置具および薬剤などの準備を行う。
(2) 検査治療の介助
1.生検…組織診断を目的とした組織採取であり、生検鉗子操作と検体処理を行う。
2.止血…活動性出血や露出血管を認める場合の消化管出血に対する止血処置であり、機械的止血法・薬剤局注法・熱凝固止血法・薬剤散布法などがあり、内視鏡を介して処置具の操作や薬剤の散布を行う。
3.消化管腫瘍に対する内視鏡治療…ポリペクトミー・内視鏡的粘膜切除術(EMR)・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など内視鏡を介しての処置具の操作・薬剤の注入を行う。
4.胆・膵内視鏡検査・治療…内視鏡的逆行性膵胆管造影（ERCP）関連手技として胆・膵内視鏡や超音波内視鏡を用いた検査・治療などで、造影剤の準備、内視鏡を介した処置具の操作、造影剤の注入などを行う。
5.その他、内視鏡検査・治療の介助…色素散布、異物摘出、食道・胃静脈瘤治療、胃瘻造設、消化管拡張術、用手圧迫など、さらに新たに開発される手技においても医師の監督の下、指示に従い、処置具の操作・薬剤の注入などを行う。

体制について

【体制について】
技師部長　１名／副主任　１名／看護師　６名／臨床検査技師　２名／臨床工学技士　３名／医師事務作業補助者　２名／事務受付　１名／洗浄員（外部委託）２名

【所有資格・認定】
日本消化器内視鏡技師／小腸カプセル読影支援技師／大腸カプセル読影支援技師
がん科学療法認定看護師／第2種ME技術認定

実施していること

学会・著書活動

●日本消化器内視鏡技師会　理事1名
●日本消化器内視鏡技師会　担当理事１名
　会報編集委員会
　学術委員会
　倫理委員会　
●日本消化器内視鏡技師会　九州支部　副会長１名
●大分県消化器内視鏡技師会　監事　1名
出版物：「消化器内視鏡技師のためのハンドブック」

＜著書＞　大波多歳男
●監修:日本消化器内視鏡学会
　　消化器内視鏡技師制度委員会
＜編集＞赤松泰次　植木敏晴　角森正信
　消化器内視鏡技師のためのハンドブック改訂第8版
Ⅲ.　治療の実際
　9．緊急内視鏡
Ａ. 緊急内視鏡とは
Ｂ. 緊急内視鏡の適応疾患
C. 緊急内視鏡の準備
D. 緊急内視鏡の実際
医学図書出版株式会社
「消化器内視鏡技師のためのハンドブック」編集部　2023年10月発売
技師・看護師・必携Step up　「技師・ナース必携　Step up」「消化器内視鏡　検査・治療・ケア」 Ⅲ　内視鏡各論　

●編集：田村君英　赤松泰次
技師・看護師・必携Step up　『技師・ナース必携　Step up』
『消化器内視鏡　検査・治療・ケア』
Ⅲ　内視鏡各論　
④消化器出血の内視鏡止血術―技師の立場から
Ⅲ　内視鏡治療各論
⑥胆膵疾患の内視鏡治療　―技師の立場から
株式会社シービーアール　　　　2022年１1月5日発売

スタッフの声

K・G（看護師）さん

消化器病・内視鏡センターに就職したきっかけはなんですか
内視鏡技師資格を取得したいと思い入職しました。

実際に働いてみてどうでしたか
とにかく覚えることが多いです。内視鏡処置や治療の略語、処置で使用する様々なデバイスの種類と操作方法などは覚えるのに苦労しました。

1日30～40件の検査や治療をスムーズに行えるように采配したり、緊急内視鏡でのスピーディーかつ正確な判断、不安を抱えている患者さんへのフォロー、指導など様々なことを短時間で的確にこなしていかなければならないと実感しています

仕事の魅力はどんなところですか
専門的な知識と技術が自分のペースで学べることです。また、医師、臨床工学技士、臨床検査技師、看護師が勤務しているので、他職種と連携をとりながら働くことで、その専門的な知識を活かしながら働くことが出来ます。

また、内視鏡技師資格を取得する為に、直接医師から専門的な知識や技術を指導していただき、目標に向かって勉強できスキルアップにつながっていると思います。
M・O（臨床検査技師）さん

消化器病・内視鏡センターに就職したきっかけはなんですか
内視鏡技師資格の取得を目指したいと思い入職しました。

実際に働いてみてどうでしたか
未経験の分野だったので、最初は検査の物品や略語など覚えることが多く大変でした。
検査の介助も、先生や先輩が丁寧に指導してくれるため技術が習得しやすいです。

仕事の魅力はどんなところですか
検査室業務と違い患者さんの顔が見えることです。